良い睡眠で健康かつ充実した毎日を手にいれるために、たかがいびきだと思ってませんか?
自覚症状がない場合が多い病気、「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)について。
「いびきをかいているようだけど、一人で寝ているから」「ときどき呼吸が止まると言われるけど日中元気だし」など外来でお話しする方が多くいるようです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)という疾患は最近メディアでも多く取り上げてられるようになってきましたが、有病率は約二~四%で我が国の推定患者数は二百万人以上と言われています。ただ本人の自覚症状がない場合も多いので、受診されている方はほんの一握りなのが現状のようです。
いびきや睡眠中の無呼吸、日中の眠気はもちろん、夜中に何度も目が覚める、朝起きると口が渇いている、朝起きても疲れている、集中出来ない、やる気がでないなど、SASは多彩な症状を引き起こいます。また糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患などを高頻度に合併し、生命予後に影響を与えることが注目されています。
最近は認知症などの悪化因子であることも報告されています。SASの原因のほとんどは上気道の閉鎖によるもので、原因には鼻閉や舌根沈下、肥満、また日本人は小顎傾向の方が多いので、肥満を伴わない患者さんも多くいるようです。
また高齢者の方は舌の筋肉量が低下し(サルコペニア)、舌根沈下を起しやすくなるため、SASを発症しやすくなります。
SASの検査は自宅で携帯型の機械をつけて行う方法が主流ですが、精密な検査が必要な場合は入院にて行う場合があります。
治療は、扁桃肥大がある場合は手術で改善することもありますが、手術で改善が期待できず、重症の場合はCPAPという機械による治療が主体となります。
軽症の場合でも、口腔内装置(マウスピース)や鼻治療で改善することもありますので、気になる
症状がある場合はSASを専門としている病院に受診をお勧めします。
人間はなぜ眠るのでしょう。
- 睡眠は短期記憶力を向上ささる
- 感情を処理する事ができる(イライラしない)
- 免疫力が高まるため風邪を引きにくくなる
- 反応や判断力が上がり、安全運転に繋がる
その他、体の疲れを取るのはもちろん、脳というスーパーコンピューターを常に働かせていては故障してしまうので、休息させ、修復、回復するために睡眠が必要なのです。
健康、そして充実した毎日を送るために良い睡眠が取れているかどうか見つめなおしてはいかがでしょうか。